



本記事のテーマ
HIV・AIDS(エイズ)の感染原因・症状と検査方法・治療法は?をわかりやすく解説します
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)とは
エイズは、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染することによっておこる病気です。
HIVは大きく分けて、HIV1型とHIV2型があります。
でも、HIV感染=AIDS(エイズ)ではありません。
※AIDS(エイズ)については次の項目で説明します。
HIVは、ヒトが細菌、カビ・ウイルスなどの病原体から守る(このことを"免疫"といいます)のに大変重要な細胞である免疫細胞である白血球などに感染します。
白血球がHIVに感染すると、
体の中から白血球などの免疫細胞を徐々に減らしていくので
免疫機能が弱まります。
HIVに感染すると、通常6~8週間経過して、
血液中にHIV抗体が検出されます。
なので、HIV検査は3か月以上たってから検査することが推奨されています。
感染から数週間以内にインフルエンザに似た症状が出ることがありますが、
この症状からはHIV感染をしているかどうかを確認することはできません。
HIVに感染してるかどうかは
HIV検査を受けることではじめて感染の有無を確認することができます。
AIDS(エイズ)とは
自覚症状のない時期(無症候期)が続き、抵抗力が落ちることで発症する疾患のうち、厚生労働省が定めた23疾患のいずれかを発症するとエイズと診断されます。
HIV感染からAIDS(エイズ)発症まで5年以上かかるとも言われています。

現在はさまざまな治療薬が出ており、
きちんと服薬することでエイズ発症を予防することが可能になっています。

AIDS(エイズ)を発症してしまうと、未治療の場合の予後は2〜3年です。
AIDS(エイズ)発症前の、HIV感染の段階で必ず早期発見に努めましょう。
誰がHIV・AIDS(エイズ)に感染してるの?
最近の新たなHIV・AIDS(エイズ)感染者のうち
男性が80%以上だと報告がでています。
※2018年の厚生労働省の報告

HIV・AIDS(エイズ)ってどうやって感染するの?
HIV・AIDS(エイズ)は主に3つの経路で感染します。
- 性行為による感染
- 血液を介しての感染
- 母親から赤ちゃんへの母子感染
1. 性行為による感染
HIV・AIDS(エイズ)感染の最大の理由は性行為です。
HIVのウイルスは主に血液や精液、膣分泌液に多く含まれています。
オーラルセックス(口)や挿入(性器や肛門)の行為によって
粘膜や傷口をHIVウイルスが通ることでうつります。

またHIV に感染するリスクは
男性とセックスする男性の間では 22 倍高い
薬物静脈注射をする者では 22 倍高い
セックスワーカーでは 21 倍高い
トランスジェンダーの人々では 12 倍高い
と言われています。
ただHIVの感染力は弱く、
性行為以外の社会生活のなかでうつることはまずありません。
異性よりも男性同士でのセックスでHIV・AIDS(エイズ)が多いのはなぜ?
男女の性行為よりも
アナルセックスの方が
膣の粘膜が重層なのに比べて、
腸管粘膜という弱い単層に触れるから
傷つきやすく感染率が高まるようです。
女性は膣粘膜から、男性は性交によって生じる亀頭部分(粘膜)の細かい傷から、精液、膣分泌液に含まれるHIVが侵入することで感染します。
また、男性同性間の性的接触では、腸管粘膜から精液中のHIVが侵入します。
機械的な刺激の強い膣や口腔の粘膜は重層ですが、腸管粘膜は単層であることから傷つきやすいため、HIVが侵入しやすく、膣性交よりも感染リスクが高くなります。
キスでHIV・AIDS(エイズ)はうつる?
結論から言うと基本的にはうつりません。
唾液にもHIVは含まれます。
でも、唾液だけで感染するには
バケツ数杯分の唾液を一度に飲み込む必要があります。
HIVの感染力はそれほど弱いのです。
なので、キスだけでは感染しません。
でも、HIV感染者の口の中が傷ついて出血しているときに
ディープキスをすると感染の可能性はでてきます。
2. 血液を介しての感染
HIV感染者の血液輸血や、覚せい剤などの注射器の“回し打ち”によって感染します。
日本の献血された血液は二重の検査によって安全を確保するように努めていますが
ごく稀に、輸血を通じてHIV感染をするという事例も生じます。
これは、献血をHIV検査代わりに使用する人がいることが一部の原因ともなっています。

3. 母親から赤ちゃんへの母子感染
母親がHIV感染していると、妊娠中や出産時に赤ちゃんにもHIVが感染することもあります。
日本では、お母さんがHIV感染症の治療薬を飲むことや
母乳からの感染を防ぐために母乳を与えないことで、
赤ちゃんへの感染を1%以下に抑えています。
HIV・AIDS(エイズ)ってどこで検査できるの?
HIV・AIDS(エイズ)に感染したかどうかは血液検査(抗体検査)で判断します。
HIVの抗体を正しく確認できる期間を過ぎないと、検査しても陰性になってしまうので
感染してから約3ヶ月をおいて、検査結果を確認する必要があります。
HIV感染検査は2段階の検査で診断します。
- スクリーニング検査・プレ検査
- 検査で陽性だった人は確認検査(保健所・病院)
※スクリーニング検査 = 保健所・病院での検査
※プレ検査 = 自宅でできるHIV検査キットの検査
スクリーニング検査・プレ検査で陽性だった人だけが
2度目の確認検査をし保健所・病院に行くことになります。

HIV・AIDS(エイズ)検査は以下の3つで受けることができます。
- 保健所で無料検査
- 自宅で有料の性病検査キット
- 病院で有料検査
1. 保健所の無料検査
全国にある保健所にて、HIV検査と同時に梅毒やクラミジア・淋病なども受検が可能です。
メリット
- 無料
- HIVと同時に梅毒やクラミジア・淋病も検査できるところがある
- 自分で採血しなくて済む
デメリット
- 月に1~2度ほどしか実施してない保健所もある(先着の場合もあり)
- 平日の実施・指定時間のみの場合が多く会社員には厳しい
- 保健所まで行って検査を受けないといけない
- 検査結果が出るまで1~2週間ほどかかり、検査結果もまた取りに行かないといけない
詳しくはお近くの保健所を検索して条件をご確認ください。
2. 自宅で有料の性病検査キット
自宅にいながらHIV・AIDS(エイズ)の感染を検査するキットがあります。
早急に性病検査をしたい・誰にも内緒で検査をしたい方はそちらがオススメです。
メリット
- 自宅で検査と結果の受け取りができるのが時間が節約できる
- 誰にもバレずにHIV・AIDS(エイズ)の検査が受けられる
- 検査結果を数日で受け取れる
- 病院の半額で検査ができる(4000円以下)
デメリット
- 自分で採血をする必要がある
- 有料

自宅でできる最安値の性病検査キットはGMEです。
3. 病院で有料検査
お近くの皮膚科や感染症科、また男性は泌尿器科、女性は産婦人科で検査可能な場合が多いです。
メリット
- 即日で検査結果を受け取れる
- 検査から治療まで同じ医療機関で済む
- 匿名で検査可能のところもある(詳しくはこちらで検索)
デメリット
- 高額(HIVだけで8千円ほど)
- 病院に行かないといけない
- 病院によっては匿名で検査ができないところもある

HIV・AIDS(エイズ)の治療法は?
現在は、HIVを体内から完全に排除できる治療法はありません。
抗HIV薬を、1日1回1錠の服薬を続けることで
ウイルス量が抑えられて
AIDS(エイズ)への発症を防ぎ
他の人へのHIVを感染させる可能性が低くなります。
抗HIV薬を飲み続けることで、HIVを持っていない人と変わらないくらいの寿命が期待できます。
ただし、抗HIV薬はきちんと飲み続けないと
HIVが薬に対して耐性を獲得してしまい
薬が効かなくなってしまいます。
いったん治療を開始したら、特別な場合を除き、治療を継続する必要があります。
HIV感染が判明したら、できるだけ早い段階で抗HIV療法を開始することが勧められています。
AIDS(エイズ)発症後の治療は?
エイズを発症して未治療の場合の予後は2〜3年です。
エイズを発症してからの治療もある程度は奏功しますが、
その効果は、発症前と比較して明らかに劣ります。
エイズ発症前の無症候期の間にHIV感染を知ることができれば、
定期的な医療機関での受診およびフォローアップ検査により、最適な時期に治療を始めることができます。

HIV・AIDS(エイズ)の予防法は?
HIVは血液、精液、膣分泌液などに多く分泌されますので、それらの体液が粘膜や傷のついた皮膚に触れないようにすることが必要です。
HIV感染は性行為が1番の感染原因です。
HIV感染を防ぐためには必ずコンドームを使用することが大事です。
オーラルセックスの場合も、口腔粘膜から感染の危険性があるため、
コンドームを使用することが大切です。
コンドームを使わないとHIV・AIDS(エイズ)の感染率はどのくらい?
100回に1回という一見少ない確率でコンドームを使わないと感染します。
ただ、初めての1回が感染する1/100かもしれないし
付き合っている恋人と毎日コンドームなしでセックスしていたら
感染する可能性はかなり高くなります。
コンドームを使わないで挿入による性行為(膣性交・アナルセックス)を行った場合
感染の確率は0.1〜1%(100回に1回)くらいと考えられています。
それでも、1回のコンドームなしのセックスで感染した人はいるため、
感染の確率はあくまでも目安となります。
日本ではHIV・AIDS(エイズ)って増えてるの?
今の日本では、HIV・AIDS(エイズ)の新しい感染者数は横ばい・やや減少傾向です。
平成30年の厚生労働省の発表よると
年間新規報告数は2013 年を ピークとし、2018年にかけて横ばいからやや減少傾向です。
ただ報告数が減っているだけで、HIV検査していない人は感染していても数にカウントされません。
もしかしたら水面下でHIV・AIDS(エイズ)の感染者数は増えてる可能性もあります。
そのため、HIV・AIDS(エイズ)の検査を受ける人を増やしていく必要があります。
まとめ
エイズは、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染することによっておこる病気です。
HIVに感染した = AIDS(エイズ)ではなく
HIVに感染してから、無症状期間が続いた後
HIVによって免疫機能が壊されて、
普段ならかからないような病気に感染した時
(AIDS(エイズ)の定義に当てはまる病気)
初めてAIDS(エイズ)の診断がされます。
HIV感染から数年~10年ほどの期間を経てからAIDS(エイズ)に発症します。
AIDS(エイズ)を発症して未治療の場合の余命は2〜3年です。
HIV感染のうちなら、進行を食い止める薬が現在はあります。
ただし、完治することはなく、症状を抑え続けるために飲み続けないといけません。
AIDS(エイズ)を発症してからも、治療をすることで多少は効果がありますが
HIVの段階と比べると、それほどの効果が出ません。
そのためHIV感染がAIDS(エイズ)に発症する前の
早期発見が命を繋ぎ止める鍵となります。
HIV感染は、この先の命に関わる怖い病気です。
AIDS(エイズ)が発症する前に必ず自分でHIV検査をしましょう。
発症してからは手遅れです。
今なら間に合うかもしれないので、不安がある人は必ず
HIV検査を受けましょう。
自宅でできる最安値の性病検査キットはGMEです。